社債発行差金(読み)しゃさいはっこうさきん(その他表記)bond, discount on

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社債発行差金」の意味・わかりやすい解説

社債発行差金
しゃさいはっこうさきん
bond, discount on

社債額面以下で割引発行する場合の発行価額と額面価額との差額,すなわち社債発行割引額をいう。たとえば額面 100円の社債を 97円で発行した場合,差額3円が社債発行差金となる。割引発行を行う目的は,社債の契約利子率が市場利子率を下回っているようなとき,社債購入者の利回りを引上げて応募条件を有利にすることにある。そのため社債発行差金は一種の前払利息と考えられている。この利息前払分は社債発行時の費用とすべきではなく,社債の発行から償還までの期間の費用として配分されるべきで,したがって次期以降に繰延べるべき費用として貸借対照表の繰延資産の部に計上される。そして社債償還までの各期間に費用として配分される。商法は社債発行差金を社債償還期限内の毎決算期において均等額以上の償却をするよう規定している。同じように繰延資産項目とされている社債発行費 (社債発行のため直接支出した費用) とは異なる。

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