日本大百科全書(ニッポニカ) 「神統流」の意味・わかりやすい解説
神統流
しんとうりゅう
現存する日本泳法の一流派で、島津藩に伝えられた泳法。14世紀ごろにいちおう形が整ったといわれている。神統流の流名は「宇内の真哲は神の統(す)べ給う所である」からきている。神統流は島津氏が藩外不出とし、秘法として黒田氏の家伝として継承されてきた。神統流が黒田清光によって公開されたのは1937年(昭和12)である。公開されるまでは、このような流派が鹿児島に伝承されていたことは知られていなかった。神統流の伝書としては1525年(大永5)の『水迫仙法参品』、1533年(天文2)の『神統流直本の巻』がある。泳法名は古風難解で、業三品(わざみしな)―捨業・差業・抜業、潜(かつぎ)三段―止・中・底、秘三事、目参構(めさんこう)などがある。
[笹島恒輔]