普及版 字通 「禳」の読み・字形・画数・意味


22画

[字音] ジョウ(ジャウ)
[字訓] はらう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は襄(じよう)。襄は死者の衣襟のうちに、呪具や祝の器((さい))をおき、邪霊が死者に憑(つ)くことを防ぎ禳(はら)うことを示す字で、禳の初文とみてよい字である。〔説文〕一上に「禳(たくじやう)なり。殃(れいあう)を祀り除くなり」という。〔礼記、月令〕に、季春の月に九門に禳して春気を畢(お)え、季冬の月にまた大儺(たいだ)旁(ぼうたく)することがみえる。玄の注によると、旁とは犬皮を披いて四門の上に掲げ、蠱気(こき)を祓う祭儀で、これを禳という。〔周礼、天官、女祝、注〕に「變異を卻(しりぞ)くるを禳と曰ふ」とあり、わが国の「鬼やらい」のような習俗をいう。

[訓義]
1. はらう、邪気をはらう。
2. 鬼やらい、城門に犬皮を張ってはらう。

[古辞書の訓]
名義抄〕禳 ハラフ・カハル・サイハヒ

[語系]
禳・讓(譲)・攘njiangは同声。襄の初文はnyangに作り、呪具を列する形。これを死者の衣中におくのを襄という。およそ襄声の字には、その声義を承けるものが多い。また(醸)・孃(嬢)は、やわらかくゆたかな意をもち、別の一義をなしている。

[熟語]
禳疫禳解・禳禳災・禳祭禳疾禳除禳星・禳
[下接語]
禳・侯禳・禳・祓禳・厭禳

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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