邪気(読み)ジャキ

デジタル大辞泉 「邪気」の意味・読み・例文・類語

じゃ‐き【邪気】

人に害を与えようとする心。悪意。「邪気のない人」「無邪気
病気を起こす悪い気。悪気あっき。「邪気を払う」
物の。じゃけ。
「はじめ歩み来たりつる物は―なり」〈著聞集・一〉
[類語]悪意悪気意趣悪感情悪心邪心出来心

ざ‐け【邪気】

じゃけ」の直音表記
「―なんどの、人の心たぶらかして」〈柏木

じゃ‐け【邪気】

物の。また、病気。じゃき。
「御―の久しくおこらせ給はざりつるを」〈浮舟

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精選版 日本国語大辞典 「邪気」の意味・読み・例文・類語

じゃ‐き【邪気】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 病気などを起こす悪い気。悪気。
    1. [初出の実例]「俄かに邪気(ジャキ)に侵され、身心悩乱して、五体逼迫しければ」(出典太平記(14C後)二三)
    2. [その他の文献]〔礼記‐楽記〕
  3. 物の怪(け)。ざけ。
    1. [初出の実例]「左丞俄有煩給、〈略〉示云、腰病、邪気所為也云々」(出典:権記‐長徳四年(998)三月三日)
    2. 「先度、汝大般若の御読経つかうまつりしに験ありき。はじめあゆみ来たりつる物は邪気なり」(出典:古今著聞集(1254)一)
  4. かぜ。風邪。感冒
    1. [初出の実例]「冷泉院の御邪気の時」(出典:文机談(1283頃)一)
  5. ねじけた気風。悪意。
    1. [初出の実例]「凡兆この比、古翁の其角を御引被成候とて邪気をさしはさみ居候故」(出典:許六宛去来書簡‐元祿八年(1695)正月二九日)

じゃ‐け【邪気】

  1. 〘 名詞 〙
  2. もののけ。また、病気。じゃき。ざけ。
    1. [初出の実例]「例の御しゃけの、久しく起こらせ給はざりつるを。恐ろしきわざなりや」(出典:源氏物語(1001‐14頃)浮舟)
  3. 人をだましたり、傷つけたりしようとする気持。悪気(わるぎ)
    1. [初出の実例]「内典外典ともに、たづさはり、邪気(ジャケ)、聊もなければ」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品八)

ざ‐け【邪気】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ざ」は「じゃ」の直音表記。「け」は「気」の呉音 ) もののけ。たたり。じゃき。
    1. [初出の実例]「これかれに物問はせ侍ればざけなど申す。作善(さぜん)など行(おこな)はせ侍れど、なほ心もとなきを」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲中)

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普及版 字通 「邪気」の読み・字形・画数・意味

【邪気】じやき

悪心。〔管子形勢(あした)に其の事をるれば、夕に其の功を失ふ。に入れば、正氣乃ちふ。

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