…いわゆる〈拝〉は,立ったままする〈揖(ゆう)〉と異なり,基本的に頭・手・足をともに用いる跪拝のことで,〈頓首〉〈叩頭〉は,ひざまずいて両手を胸の前で重ねあわせ,頭額を急激に地面に叩きつけて行った。〈頓首〉は,古くは〈稽顙(けいそう)〉と呼ばれて凶拝であったことから,頭額を物に激突させて自殺するという中国特有の習俗を背景に生まれ,本来殉死の形態から喪礼に用いられる拝法として定着してきたものとみられる。また〈叩頭〉という語は,〈再拝頓首〉などに同じく,請罪の意を表すことばとしても用いられ,宋代ころから〈磕頭(こうとう)〉とも称されるようになった。…
※「稽顙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」