朝日日本歴史人物事典 「立花銑三郎」の解説
立花銑三郎
生年:慶応3.5.1(1867.6.3)
明治時代の哲学者。陸奥国(福島県)生まれ。帝大哲学科卒業。夏目漱石とは予備門以来の学友で,手紙の往復もある。学習院,東京専門学校(早大)で教え,明治29(1896)年より学習院教授として,社会学や教育学を講じた。明治32年,ドイツとイギリスに留学,教育を研究。一足遅れて留学した漱石も,立花に帰国の途中ロンドンの下宿に寄るよう手紙を出している。病気が進み,帰りの船中で没した。知られる業績の第一は,ダーウィンの『種の起源』の本邦初訳である『生物始源,一名種源論』(1896)で,ていねいな紹介として記憶される。<参考文献>船山信一『明治哲学史研究』
(中島国彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報