日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シカゴ・ホワイトソックス
しかごほわいとそっくす
Chicago White Sox
アメリカのプロ野球球団。アメリカン・リーグ所属(中地区)。フランチャイズをイリノイ州シカゴに置き、U. S. セルラー・フィールドを本拠地としている。球団名の変遷は、シカゴ・ホワイトストッキングス(1901年)―シカゴ・ホワイトソックス(1904年)。
セント・ポールにあったマイナー・リーグ球団が本拠地をシカゴに移し、1901年のアメリカン・リーグ誕生と同時に加盟。04年から現名称となった。1年目の1901年に優勝し、06年にもリーグ優勝。ワールド・シリーズでは、同じシカゴに本拠を置くカブスを降した。1915年の途中には、映画『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)に登場した天才打者ジョー・ジャクソンがクリーブランド・インディアンスから加入し、17年に2回目のワールド・シリーズ制覇。実力派がそろった強豪として知られるようになった。だが、1919年のワールド・シリーズでは圧倒的に有利とされながらシンシナティ・レッズの前に敗退。後に八百長(やおちょう)が発覚し、ジャクソンを含む主力8選手が永久追放処分となる「ブラックソックス事件」へと発展した。以降は優勝できなくなり、最優秀選手(MVP)となったネリー・フォックスNellie Fox(1927―75)二塁手、ルイス・アパリシオLuis Aparicio(1934― )遊撃手という俊足好打の名コンビの活躍で1959年にリーグ優勝するまで40年かかった。1969年から両リーグ2地区制となると西地区に配属され、強打の捕手カールトン・フィスクCarlton Fisk(1947― )を擁した83年と、フランク・トーマスが強打でMVPを受賞した93年に地区優勝。しかし、いずれもリーグ優勝はできなかった。1994年から両リーグ3地区制となると中地区へ配属された。同年は首位ながら、ストライキでシーズン打ち切りとなったため、優勝扱いにはならなかった。強力打線を形成した2000年も地区優勝。2003年より、本拠地をコミスキー・パークから現名称へ改称した。井口資仁(ただひと)が加入した2005年、少ない得点を守り抜く「スモール・ボール」で地区優勝を遂げ、ディビジョン・シリーズでボストン・レッドソックス、チャンピオンシップ・シリーズでロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムを破った。ワールド・シリーズでもヒューストン・アストロズを4連勝で降し、88年ぶりの「世界一」となった。
[山下 健]
2006年以降
2006年は新加入のジム・トーミーを含む4人がホームラン30本以上を打ち、リーグトップのチーム本塁打236本を記録したが、チームは地区3位でシーズンを終えた。2007年は打撃陣、投手陣ともに低迷、4位に終わった。なお、2004年から05年まで高津臣吾(たかつしんご)が抑え投手としてプレーした。
1901年から2007年までの通算成績は、8372勝8182敗、地区優勝4回、リーグ優勝6回、ワールド・シリーズ優勝3回。
[編集部]