童坊(読み)どうぼう

精選版 日本国語大辞典 「童坊」の意味・読み・例文・類語

どう‐ぼう‥バウ【童坊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 同朋(どうぼう)前身で、室町将軍家の側近にあって諸芸能をつとめたといわれる職。
    1. [初出の実例]「追従を専として事にならざる虚語を巧み、顔をしかめ、口をゆがめ、踊り舞狂ひて、座の興を催しける、後には幼童のごとく出立ぬれば、自然に童坊とぞ申ける」(出典:細川頼之記(安土桃山‐江戸初))
  3. どうぼう(同朋)
    1. [初出の実例]「両御所御供之御童坊二人、如旧例千疋宛折紙被遣之」(出典:光源院殿御元服記(1546))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の童坊の言及

【同朋衆】より

…〈同朋〉の語は,もともと仏教界に発したとみられ,〈友〉と同義に用いられるとともに,禅寺で輿舁(こしかき)の任務についた〈力者(りきしや)〉をさしたりしたが,やがて武家社会でも用いられるようになり,上記の諸任務に従う同朋衆のさきがけをなす人々の呼称となったらしい。足利将軍家に仕えた同朋衆のおこりについては,ふつう3代将軍足利義満の幼時に細川頼之(よりゆき)がはからって法師6人を選定し,これを〈童坊(どうぼう)〉などと名づけ,異風の服装で座興をもよおさせ,義満の無聊(ぶりよう)をなぐさめたのが始まりだという。以後,つねに将軍に近侍して動くうちに使者として文書を運び届けたり,将軍への対面者を取り次いだり,将軍の趣味の世界にかかわったりすることとなって,しだいにこれが職制化の途をたどったものらしい。…

※「童坊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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