追従(読み)ツイショウ

デジタル大辞泉 「追従」の意味・読み・例文・類語

つい‐しょう【追従】

[名](スル)
他人の気に入るような言動をすること。こびへつらうこと。また、その言動。「お追従を言う」「顧客追従する」
ついじゅう(追従)」に同じ。
雛遊ひひなあそびの―をもねんごろにまつはれ歩きて」〈・少女〉
[類語](1世辞べんちゃら社交辞令外交辞令愛想上手仲人口びるへつらうおもねる取り入るごますり阿諛あゆおためごかし卑屈へつら取り巻くこびを売る胡麻ごまをする鼻息をうかがう太鼓を叩く機嫌を取る尻尾を振る歓心を買う色目を使う秋波を送る気を引く気を持たせる調子を合わせるおべっかおべんちゃら諂巧てんこう諂阿てんあ諂曲てんごく諂笑てんしょう諂媚てんび諂諛てんゆ阿付迎合へいへいへいこらぺこぺこ曲学阿世味噌を意を迎える勿体臭い勿体ぶる気取る澄ます格式張る見栄を張る虚勢を張る体裁振る背伸び御大層らしい大層らしい仰仰しい誇大大袈裟おおげさオーバー大層事事ことごとしい大仰おおぎょう針小棒大尾鰭おひれを付ける思わせ振りしなを作る大人振る見せ掛け見せ掛ける行い澄ます取り澄ます飾り気虚栄自意識過剰お高くとまるお高い芝居がかる猫かぶり猫をかぶるもっともらしい

つい‐じゅう【追従】

[名](スル)あとにつき従うこと。また、人の意見に従うこと。追随。「権力追従する」→ついしょう(追従)
[類語]追随随行随伴随従お供従う付くくっつく付和雷同矮人わいじん観場かんじょう同意賛同支持賛成雷同便乗聴従適従驥尾きびに付す下手に出る後塵を拝する人のふんどしで相撲を取る尻馬に乗る

つい‐そう【追従】

《「そう」は「しょう」の直音表記》「ついじゅう(追従)」に同じ。
「それかれこそ―する者はあなれ」〈栄花・花山尋ぬる中納言〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「追従」の意味・読み・例文・類語

つい‐しょう【追従】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しょう」は「従」の漢音 )
  2. ついじゅう(追従)
    1. [初出の実例]「女は、さるべき人のついせうするにつけてこそ、やむごとなくも。なほおはしませ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)
  3. 人におもねること。こびへつらうこと。おべっかを使うこと。ついそう。
    1. [初出の実例]「ひがめるやうについせうするなど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
    2. 「上下万人是に追従(ツイセウ)して、善も悪も平家の事をば言はず」(出典源平盛衰記(14C前)一)
    3. 「心にあらぬ追従(ツイシャウ)軽薄して」(出典:人情本・清談峯初花(1819‐21)後)

追従の補助注記

現代では、の意では「ついじゅう」、の意では「ついしょう」と区別して用いる。


つい‐じゅう【追従】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じゅう」は「従」の慣用音 )
  2. あとにつき従うこと。人のお供をすること。また、人の言に従うこと。ついしょう。
    1. [初出の実例]「欲訪神仙迹、追従吉野潯」(出典:懐風藻(751)従駕吉野宮〈大伴王〉)
    2. [その他の文献]〔文徴明‐遊虎丘詩〕
  3. ついしょう(追従)

つい‐そう【追従】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「そう」は「しょう」の直音表記 ) =ついしょう(追従)
    1. [初出の実例]「この人ついそうあるうたてある人の心にて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「追従」の読み・字形・画数・意味

【追従】ついじゆう

従う。

字通「追」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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