同朋(読み)どうぼう

精選版 日本国語大辞典「同朋」の解説

どう‐ぼう【同朋】

〘名〙
① なかま。ともだち。同袍。
※康頼宝物集(1179頃)中「昔象と我とは同なりき」
※御伽草子・あしびき(室町中)「弟子、同朋などあまたありけれ共」 〔陸雲‐答顧秀才詩〕
② 輿などをかつぐ力者(りきしゃ)。禅家での法師をいう。
※俳諧・紅梅千句(1655)一〇「秋も詰るやうへの御茶つぼ〈安静〉 同朋(ドウボウ)が露分のぼる嶺の寺〈貞徳〉」
③ 真で同信行者の称。同行。
※御伽草子・秋の夜の長物語(南北朝)「医王山王の結縁も捨がたく、同朋同宿の別もさすがに余波(なごり)惜ければ」
室町時代将軍家に近侍して身辺の雑務や特殊な芸能諸事をつかさどった職。僧体ですべて阿彌号を名のり、某阿彌陀仏・某阿彌・某阿のように称する。職制は不明部分が多いが、書信の使者や対面取次などの雑事に従う者と、書画・調度品など唐物の鑑定管理や猿楽・田楽・立花などの特殊技能者として仕する者との別があったらしい。同朋衆童坊
※蔭凉軒日録‐延徳元年(1489)一一月二一日「竺源御会所一見之事白琳公、可命当番同朋云云、乃命讚阿伝命、同途悉歴覧」
⑤ 中世、将軍家にならって諸大名家に設置され雑務に従った職。
※石山本願寺日記‐証如上人日記・天文八年(1539)閏六月一九日「細川之同朋忠阿彌為礼来間、於綱所盃」
江戸幕府の職名。同朋頭のもとで坊主(公人朝夕人)とともに各諸大名、諸役人の登城のとき、その雑事や茶の湯の相手を務め、殿中の掃除をした。定員一〇人前後。
※徳川実紀‐慶長八年(1603)三月二五日「将軍宣下御拝賀として御参内あり。〈略〉次に御物奉行、同朋谷全阿彌正次」
[補注]「源平盛衰記‐二一」の「骨肉の親類にも非ず、又一室の同朋(オウ)にも非ず」の文中に「同朋(どうオウ)」の読みがある。

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デジタル大辞泉「同朋」の解説

どう‐ぼう【同×朋】

仲間。友人。特に、を同じくしてともに仏道を修める仲間。
室町・江戸時代、将軍・大名に近侍して雑務や諸芸能をつかさどった僧体の者。室町時代には一般に阿弥あみ号を称し、一芸に秀でた者が多かった。江戸時代には幕府役職の一つとなり、若年寄支配下大名の案内・着替えなどの雑事をつとめた。同朋衆。童坊。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「同朋」の解説

同朋
どうぼう

童坊,侫坊とも書く。同朋衆ともいう。室町時代以降,将軍や大名に近侍し,芸能,茶事,雑役に勤仕した僧形の者。絵師能阿弥相阿弥,作庭の善阿弥のように,多くは阿弥号を名のる時宗であった。江戸幕府の同朋は若年寄支配に属し,諸大名の営中での身のまわりを世話し,また将軍の他出の供をした。

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世界大百科事典内の同朋の言及

【同朋衆】より

…室町時代に足利将軍家に仕え,歴代将軍の殿中にはべって,さまざまの雑用や美術工芸品の鑑定,諸芸能に従事した僧体の特別技能者たちをいう。〈同朋〉の語は,もともと仏教界に発したとみられ,〈友〉と同義に用いられるとともに,禅寺で輿舁(こしかき)の任務についた〈力者(りきしや)〉をさしたりしたが,やがて武家社会でも用いられるようになり,上記の諸任務に従う同朋衆のさきがけをなす人々の呼称となったらしい。足利将軍家に仕えた同朋衆のおこりについては,ふつう3代将軍足利義満の幼時に細川頼之(よりゆき)がはからって法師6人を選定し,これを〈童坊(どうぼう)〉などと名づけ,異風の服装で座興をもよおさせ,義満の無聊(ぶりよう)をなぐさめたのが始まりだという。…

【坊主】より

…のちの住持,住職にあたり,また一般に僧侶の呼称ともなった。坊主衆
[武家の職名]
 江戸幕府には同朋頭(若年寄支配)の配下に茶室を管理し,将軍,大名,諸役人に茶を進めることを職務とする奥坊主組頭(50俵持扶持高,役扶持二人扶持,役金27両,御目見以下,土圭間詰,二半場),奥坊主(20俵二人扶持高,役扶持二人扶持,役金23両,御目見以下,土圭間詰,二半場)100人前後,および殿中において大名,諸役人に給事することを職務とする表坊主組頭(40俵二人扶持高,四季施代金4両,御目見以下,躑躅(つつじ)間詰,二半場),表坊主(20俵二人扶持高,御目見以下,焼火間詰,二半場)200人前後があった(この職は大名,諸役人からの報酬が多く,家計は豊かで,そのため奢侈僭越に流れたという)。また茶室に関するいっさいのことをつかさどる数寄屋頭(若年寄支配)の配下に,数寄屋坊主組頭(40俵持扶持高,四季施代金4両,御目見以下,躑躅間詰,二半場),数寄屋坊主(20俵二人扶持高,御目見以下,焼火間詰,二半場)40~100人ほどがあった。…

※「同朋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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