競争戦略(読み)きょうそうせんりゃく(その他表記)competitive strategy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「競争戦略」の意味・わかりやすい解説

競争戦略
きょうそうせんりゃく
competitive strategy

ある事業分野で,競争会社と対抗し,顧客を獲得するための戦略。事業構造の戦略とともに経営戦略の重要な構成要素である。事業構造の戦略が企業全体にかかわるのに対して,競争戦略は個々の事業分野ごとに策定される。価格,製品販売促進,流通と顧客サービス,生産と物流に関して,競争相手に対する優位性をいかに確立するかが課題となる。競争戦略は,個々の製品のレベルでの戦略と,競争の基本的な仕組み (ビジネス・システム) のレベルでの戦略に分けられる。コストリーダーシップ差別化,すき間 (ニッチ) 戦略などが基本的な競争戦略である。

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知恵蔵 「競争戦略」の解説

競争戦略

同一産業で競争している企業に勝つための戦略。通常の経営戦略論重点は、多角化戦略や市場開拓戦略で、むしろまともに他社と競争することを避けて収益を確保する戦略であった。競争戦略は既存市場内でのマーケット・シェアの奪い合いの戦略である。相手より競争上優位に立つ必要があり、競争優位戦略とも呼ばれる。戦略の基本は、価格と製品の差別化で競争を有利にすることである。価格を下げるためにはコストで優位を保たねばならない。どこでコストを引き下げるかを分析する方法としては、原材料の購入から販売に至る価値連鎖の分析などがある。

(高橋宏幸 中央大学教授 / 2007年)

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「競争戦略」の解説

競争戦略

個々の観点から図られる市場分野において、競争相手に対していかに優位性を獲得するか、という対応方針のこと。「競争対抗」と「競争回避」の2種類があり、競争対抗は相手より低コストを実現する「コスト・リーダーシップ」、独自性を打ち出す「差別化」、特定セグメント焦点を当てる「集中」などがある。競争回避には競争相手の得意分野を意図的にずらし、市場獲得のための価格設定や広告活動などを展開する方法がある。

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