販売促進(読み)ハンバイソクシン(英語表記)sales promotion

翻訳|sales promotion

デジタル大辞泉 「販売促進」の意味・読み・例文・類語

はんばい‐そくしん【販売促進】

《sales promotion の訳》売り手が、買い手の購買心を刺激し、商品を購入させるために行う組織的な活動。マスメディアを使った大規模な宣伝、ダイレクトメールなどの配布、景品・試供品の提供、陳列の仕方や説明の仕方などの店員教育などの方策がある。アフターサービスの充実もこの活動のうちに入る。販促。

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精選版 日本国語大辞典 「販売促進」の意味・読み・例文・類語

はんばい‐そくしん【販売促進】

  1. 〘 名詞 〙 各種の手段を通じて消費者購買意欲を高めること。販促。
    1. [初出の実例]「ここにおいて、流行づくりと販売促進が直結したのである」(出典:流行うらがえ史(1965)〈うらべまこと〉一四)

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改訂新版 世界大百科事典 「販売促進」の意味・わかりやすい解説

販売促進 (はんばいそくしん)
sales promotion

〈販売を増進させるあらゆる活動〉という広義から,〈特売策〉あるいは〈共同広告〉のみを意味する最狭義まで種々さまざまな解釈があるが,一般には,マーケティングミックス(〈マーケティング〉の項参照)の一要素であるプロモーションpromotion(広義の販売促進,情報提供諸活動)のうち,自社セールスマン卸売業者小売業者に効果的に働きかけたり,広告と人的販売をいっそう効果あるものとするため重要な役割を果たしているのが,販売促進(セールス・プロモーションともいう)である。そこで最も一般に受け入れられている定義は,〈人的販売,広告,パブリシティ以外のマーケティング活動で,消費者の購入を刺激し,販売業者の活動を効果的にするディスプレー,ショー,展示会,デモンストレーションカタログ,見本配布,その他の販売努力〉である。略して販促ともいう。

 その目的は,特定の商品や商標を販売するためセールスマンや販売業者の販売意欲をもりたてることにあり,またその商品を購入するよう消費者を刺激することにある。そこで問題となるのは,それぞれの目的を達成するために用いられる販売促進策であり,それぞれの販売促進材料がそれぞれの特定の働きをなす。したがって販売促進材料の適切な選定・組合せが特定の目的を効果的に達成させるため必要となる。もちろん,販売促進は,いかなる業種,業態,規模であれ無視しえないコミュニケーション活動であるが,とくに,新製品や新商標が導入されるとき,既存製品の改良点を知らせるとき,広告されている商品の効果を増幅するため用いられるとき,ならびにその商品の店舗販売に力を入れているときなどに効果的であるといわれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「販売促進」の意味・わかりやすい解説

販売促進
はんばいそくしん
sales promotion

販売活動の一環として、売り手が買い手に対して行う需要の喚起と刺激のための諸策をいう。英語のままセールス・プロモーションといったり、省略して販促ということも少なくない。重要なことは、その基本理念が「売りつける販売」ないし高圧的販売にあるのではなく、買い手の立場にたち、彼らが関心を抱き、欲求を高め、購買したくなるように働きかけることである。これを顧客志向もしくは消費者志向という。販売促進の手段としては、〔1〕開放的共用手段(マスコミによる広告やパブリシティ=報道による企業情報)、〔2〕閉鎖的専用手段(カタログなど)、〔3〕人的手段(実演など)、〔4〕物的手段(サンプル提供など)、〔5〕金銭的手段(リベートなど)、〔6〕組織化(友の会など)がある。また対象別の活動としては、対外的販売促進と対内的販売促進の二大分野がある。前者は、対卸売商活動(販売員訓練、販売コンテスト、卸売広告助言、情報・資料の提供など)、対小売商活動(販売店会議、広告・店舗設計・商品陳列の指導、店員教育、カタログ・景品・試供品の提供など)、対最終消費者活動(ダイレクト・メール、見本・カタログ・機関誌の提供、相談サービス、消費者教育、展示会・説明会・講演会の開催、実演、友の会の組織化など)からなっている。対内的販売促進には、対販売部門活動(販売員教育、販売コンテスト、販売資材の準備など)、対広告部門活動(広告予算など)、その他関連部門活動がある。

 有効な販売促進は、各種の方策が有機的に連動することである。このような状態をセールス・プロモーション・ミックスという。また、販売促進のほとんどは買い手の購買に先行して行われるが、購買後の販売促進効果を忘れてはならない。それはアフター・サービスであり、適切なアフター・サービスは顧客満足customer satisfaction(CS)を生み出して、次の購買の有力な原動力になる。

[森本三男]

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流通用語辞典 「販売促進」の解説

販売促進【sales promotion】

広義には製品あるいはサービスの意義、用途、効用、購入者にもたらす生活革新効果、あるいはそれらの製品もしくはサービスを供給する自企業自体の理念、方針、設備力、技術力、管理力、などをめぐり、適切な知識・情報を市場へ送り込み、最終需要の喚起を刺激するマーケティング活動を意味する。この広義の販売促進は、製品計画、販売経路政策、価格戦略が含まれる。狭義の販売促進は、陳列、見本市展示会、実演販売、販売店援助、その一貫としての伝導販売員派遣、消費者教育、消費者組織化、プレミアム販売の行為を意味する。小売業では、人的販売、広告宣伝、ウィンドウならびに店内陳列装飾などのほか、特売、特別招待下位、連合売出しなど一連の需要喚起、売上促進策を指す。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「販売促進」の意味・わかりやすい解説

販売促進
はんばいそくしん
sales promotion

セールス・プロモーション,略して SP。広義には広告活動からセールスマン活動を含めた,販売促進に関するあらゆる活動を意味する。一般に用いられている狭義の意味では,広告活動と人的販売を補足し,協力して,それらをより効果的にするためにとられる販売上の諸施策をいう。販売促進の対象はディーラーと消費者とに分れるが,ディーラー・ヘルプやリベート政策は前者の例であり,見本配布,懸賞販売などは後者の例に属する。また両者に共通のものとしては,見本市,コンテスト,デモンストレーションなどがある。

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世界大百科事典(旧版)内の販売促進の言及

【景品】より

…おまけ,景物。商店の開店や周年記念として配られるほか,製造業者や流通業者が販売促進や顧客サービスのために付ける。本来の商品に景品を付けることにより,一つには割安感を客に与える。…

※「販売促進」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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