笹櫓(読み)ササヤグラ

デジタル大辞泉 「笹櫓」の意味・読み・例文・類語

ささ‐やぐら【××櫓】

江戸時代小芝居のこと。江戸三座以外の芝居官許大芝居が表にやぐらを設けたのに対して、それを許されない小規模の劇場が、代わりに笹を目印として立てたところからいう。

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精選版 日本国語大辞典 「笹櫓」の意味・読み・例文・類語

ささ‐やぐら【笹櫓】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、表に櫓を上げることが許されなかった小規模の劇場。官許の江戸三座以外の芝居。小芝居。

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世界大百科事典(旧版)内の笹櫓の言及

【歌舞伎】より

… これら常設的な大劇場(町奉行の支配を受けた)のほかに,宮地や社地には寺社奉行の支配下にある小芝居が数多く存在した。これらを〈笹櫓〉〈宮地芝居〉〈百日芝居〉などと称する。 興行の機構は,江戸と上方とでは違いがあった。…

【櫓】より

…この控櫓(〈仮櫓〉ともいう)に対して江戸三座を〈本櫓〉(〈元櫓〉ともいう)と呼んだ。官許の常設劇場以外の宮地芝居を〈笹櫓〉と呼んだ。櫓の下に掲げた看板は〈櫓下看板〉といい,人形浄瑠璃でもここに一座を代表する芸人の名を記した〈櫓下看板〉を掲げた。…

※「笹櫓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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