…18世紀の末ころからは町娘にも紅を濃く塗るのが流行したが,高価なため下地に墨を塗り,その上から紅を塗って同じ化粧効果を生む工夫がされた。これは笹紅(ささべに)(笹色紅)とよばれて上方で流行し,江戸に入ったが,江戸では19世紀の中ごろからすたれ,上方では20世紀の初めころまで続いていた。 1856年には合成染料がドイツのパーキンによって発見されたが,口紅に使われだしたのは20世紀に入ってからであろう。…
※「笹紅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」