…1583年ころ大徳寺総見院の障壁画,次いで同三門の天井・柱絵を制作。このころから等伯と改号,同三玄院の《山水図襖》(円徳院・楽家)では,大徳寺に残る宋元画や真珠庵の曾我派の襖などに対する研鑽から,独特の余白造成と真行草の使い分けに成功し,水墨画を近世的意匠に高めた。この方向から,50~60歳代にかけて,《松林図屛風》(東京国立博物館),《老松図襖》(金地院),《猿猴(えんこう)竹林図屛風》(相国寺),《枯木猿猴図》(竜泉庵)などの水墨画の傑作が生まれた。…
※「等伯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」