米田保(読み)よねだほ

日本歴史地名大系 「米田保」の解説

米田保
よねだほ

常願寺川の旧分流あら川の末端部にあたる現富山市米田付近一帯に比定される。元来国衙領で、鎌倉幕府創立の功労者大江氏の支族毛利氏が地頭職を伝領していた。南北朝内乱期に毛利氏は桃井直常方に属したため足利尊氏方に追討され、米田保は闕所地とされた。貞治六年(一三六七)七月一〇日の足利義詮袖判下文(本郷文書)によると、「越中国米田保毛利一族跡」の地頭職は若狭国永富ながとみ(現福井県三方町)公文職の替所として本郷家泰(昭覚)に宛行われている。しかし当時の越中守護は桃井直常の弟直信であり、桃井方が素直に闕所地処分を承認する状況にはなかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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