最新 地学事典 「粒子流」の解説
りゅうしりゅう
粒子流
grain flow
堆積物重力流の一種で,粒子間の相互作用によって堆積物が流体中に浮遊し流動する流れのこと。砂などの非粘着性粒子に剪断応力が働くと,衝突等の粒子間の相互作用によって垂直応力あるいは分散応力(dispersive pressure)が生じて相互に広がろうとし(バグノルド効果ともいう),その結果粒子流が生じる。ただし,実際にこの粒子流が存在するためには,非粘着粒子が流体中に高濃度で存在すること,十分な剪断応力を維持するために流れの底面が急勾配であることなど,かなり厳しい条件が必要であると考えられている。非粘着粒子の濃度の濃い厚い混濁流の基底部でも,一種の粒子流の存在が予測されている。低含泥率の土石流においても,石や礫の衝突によって生じる分散応力が重要な役割を果たしているという考え方もある。堆積物の特徴としては,葉理等の堆積構造の欠如,特徴的なファブリック(粒子の長軸が流向に平行で,上流側に急傾斜するインブリケーション),逆級化の存在,などが指摘されている。
執筆者:徳橋 秀一
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

