内科学 第10版 「糖原病0型」の解説
糖原病0型(糖原病(グリコーゲン病))
病因
グリコーゲン合成酵素(glycogen synthase)の欠損による.
病態生理
グリコーゲン合成酵素欠損のため,グリコーゲンの蓄積ではなく貯蔵の減少を生じる.空腹時低血糖を示す一方で,食後にはグルコースからグリコーゲンが生成されず乳酸産生に流れるため,高血糖と乳酸値上昇を示す.
臨床症状
乳児期早期に,空腹時低血糖とケトーシスを呈する.臓器腫大はみられない.
診断
生検肝におけるグリコーゲン含量の減少と酵素活性測定.遺伝子変異解析.グルコース負荷試験では,乳酸が上昇.
鑑別診断
ケトン性低血糖との鑑別が必要である.
治療
頻回食による低血糖の予防.ただし,ほかのグリコーゲン蓄積病とは異なり,高炭水化物食ではなく蛋白含有食とする.[松原洋一]
■文献
Kishnani PS, Koeberl D, et al: Glycogen storage diseases. In: The Online Metabolic and molecular Bases of Inherited Disease, (Valle D, Beaudet AL, et al eds). http://www.ommbid.com/OMMBID/the_online_metabolic_and_molecular_bases_of_inherited_disease/b/abstract/part7/ch71
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報