糞生菌(読み)ふんせいきん(その他表記)coprophilous fungi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「糞生菌」の意味・わかりやすい解説

糞生菌
ふんせいきん
coprophilous fungi

動物の糞の上に生育する菌類をいう。糞生菌は分類学的にみると広い範囲にわたっており、その種類も多い。アクラシス目Acrasialesでは大部分の種が糞生菌である。また、粘菌類(綱)Myxomycetes、ケカビ目Mucorales、盤菌類(綱)Discomycetes、核菌類(綱)Pyrenomycetes(キートミウム科、ソルダリア科など)、担子菌類(門)Basidiomycotina(ハラタケ科など)、および多くの不完全菌類(亜門)Deuteromycotinaでは数種が糞生菌である。糞生菌の生育法をみると、糞が排出されたあとに胞子が飛来して生育する場合と、胞子が経口的に入り、腸内の消化液によって、包囲している物質や膜が壊されて発芽・生育する場合とがある。

[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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