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発芽 はつがgermination

翻訳|germination

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発芽
はつが
germination

植物の種子胞子花粉,地下生殖器官および枝にあるなど休眠状態にあるものが適当な条件を得て発育を始める現象。発芽を促す外的な条件としては,温度,水,酸素,光などがおもなものであり,同時に,発芽すべきものがこれらの外的条件を受入れ,生理的に活発な状態になれるようになっていることが必要である。子では,幼芽子葉幼根が一応形成され,発芽に際して必要な物質が,炭水化物,脂肪,蛋白質などの形で胚乳や子葉中に貯蔵されており,シダなどの胞子では,吸水によって胞子の殻が破れたとき,ただちに発芽が開始できる程度に熟していることが不可欠なことである。種子の発芽に関しては,種子を休眠させずにすぐまいても発芽するものもあるが,一定期間の休眠を必要とするものもある。まかれた種子のうち発芽したものの数の,まいた全数に対する割合を発芽率といい,これで発芽能力を推定するが,発芽能力は遺伝子型,栄養状態,休眠時間の長さなどの内的条件や種々の外的条件によって影響を受けるので,これを正確に表現するのはむずかしい。

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デジタル大辞泉の解説

はつ‐が【発芽】

[名](スル)芽を出すこと。植物の種子・胞子・花粉や樹枝の芽などが発育を始めること。

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栄養・生化学辞典の解説

発芽

 植物の種子が適度な温度と水分を得て芽を出すこと.

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世界大百科事典 第2版の解説

はつが【発芽 germination】

植物において,芽または種子胚が生長を始めること,または胞子,花粉などからその世代の植物体の発生が始まること。種子の発芽は,肉眼的には幼根または幼芽が種皮を破って出現することとして認められるが,これは発芽過程の最終的な結果であり,吸水に始まり上記の形態的な変化に至るまでの生理・生化学的変化を含めて発芽という。発芽したものの全体に対する百分率を発芽率percentage germinationという。 種子が発芽する能力を保つ期間(種子の寿命)は植物の種類により大きく異なる。

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大辞林 第三版の解説

はつが【発芽】

( 名 ) スル
植物の芽・花粉・種子または胞子が生長・発生を開始すること。 「種が-する」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

発芽
はつが

種子の胚(はい)が成長を再開すること、または花粉や胞子が芽を出すことをいう。
 種子の発芽は、現象的には、幼根が種皮を突き破って出るという形態的変化をもって認めることができるが、種子の内部では、それ以前に、すでにさまざまな生理的・生化学的変化がおこっている。したがって、種子の発芽は、種子の吸水に始まり、細胞代謝や生合成の複雑な生化学反応の活性化を伴って、最終的には胚(幼根)の成長再開に至る一連のプロセス(過程)からなっているといえる。胚の成長は、普通、幼根から始まるが、イネの種子のように、水中で発芽させると子葉鞘(しようしょう)(幼芽)から先に成長を始めることもある。[勝見允行]

種子発芽の条件

普通、種子は熟成しても、すぐには発芽しない(休眠)。したがって、発芽をおこすためには、低温、光などの特別な環境刺激や阻害物質の消失が必要とされる場合もあるし、種皮などの種子の構造や性質によっては、胚の成長に必要な水分や酸素の供給を十分に行わなければならない場合もある。また、種子には、植物の種類によって、それぞれ発芽に適した温度範囲がある。[勝見允行]

発芽のプロセス

種子の含水量は10%に満たないほどに低いため、初めに吸水がおこり、これによって、種子組織の代謝が始動される。この吸水は、種子を構成するコロイド質による物理的な現象である。吸水開始とともに呼吸が増加し、胚成長に使われるエネルギーが供給される。他方、デンプン、脂肪、タンパク質などの貯蔵養分は、それぞれ、ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸にまで低分子化され、呼吸の基質や新しい細胞の構築材料に使われる。貯蔵養分の分解には加水分解酵素が作用するが、これらのあるものは、すでに種子中に存在していて、吸水によって活性化されるものや、まったく新しく誘導(合成)されるものもある。しかし、多くの酵素は、実際に胚の成長が始まる前に誘導される。この際、やはり、すでに存在していたmRNA(メッセンジャーRNA)に基づいてできる酵素や、新しくDNAの遺伝情報を転写したmRNAに基づいてできる酵素もある。酵素の誘導には、オオムギのアリューロン層におけるα‐アミラーゼのように、植物ホルモンの調節を受ける場合がある。[勝見允行]

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