改訂新版 世界大百科事典 「盤菌類」の意味・わかりやすい解説
盤菌類 (ばんきんるい)
cup-fungi
Discomycetes
子実体(子囊果)が茶わん状の子囊盤となる菌類。子囊菌亜門に分類されている。皿状の子囊盤の内側には裸出した子実層があり,細長い子囊が無数に並んでいる。子囊は一重壁で普通は側糸をもつ。子囊菌類として比較的大型のものが多く,チャワンタケと呼ばれ,キノコといっしょに採集されることが多い。子囊の先端構造に2種があり,先端にキャップ状の弁があって,成熟すると弁が開いて胞子を射出する有弁子囊と,先端が単に縦に裂けるだけの無弁子囊とに分かれる。約420属3000種が含まれ,大部分は腐生性で,土の表面,腐木上,小枝,落葉などに広く分布し,陸生が多いが,淡水生のものもある。子囊盤は赤・黄・緑・黒色などさまざまで,直径数cmのものから1mmぐらいのものまである。チャワンタケ目(ヒイロチャワンタケ,アミガサタケ,ノボリリュウなど)とビョウタケ目(ロクショウグサレキン,ゴムタケ,テングノメシガイ)が代表的である。
執筆者:椿 啓介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報