ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「純粋状態」の意味・わかりやすい解説 純粋状態じゅんすいじょうたいpure state 量子力学において,系の状態はシュレーディンガー方程式を満たす波動関数によって表現されるが,特にただ1個の波動関数によって完全に記述される状態のことを純粋状態という。しかし,系の状態に関する知識が不完全な場合は,特定の1個の波動関数を系に対応させることはできず,適当に選ばれた2個以上の波動関数に対応する状態に系が存在する確率が指定されるだけである。このとき,系は混合状態にあるという。混合状態の記述には密度行列が用いられる。系が波動関数 ψ1,ψ2,…,ψN で指定される状態に存在する確率が P1,P2,…,PN(P1+P2+…+PN=1) とすると密度行列 ρ は と表わされる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by