純粋状態(読み)じゅんすいじょうたい(その他表記)pure state

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「純粋状態」の意味・わかりやすい解説

純粋状態
じゅんすいじょうたい
pure state

量子力学において,系の状態シュレーディンガー方程式を満たす波動関数によって表現されるが,特にただ1個の波動関数によって完全に記述される状態のことを純粋状態という。しかし,系の状態に関する知識が不完全な場合は,特定の1個の波動関数を系に対応させることはできず,適当に選ばれた2個以上の波動関数に対応する状態に系が存在する確率が指定されるだけである。このとき,系は混合状態にあるという。混合状態の記述には密度行列が用いられる。系が波動関数 ψ1,ψ2,…,ψN で指定される状態に存在する確率が P1P2,…,PN(P1P2+…+PN=1) とすると密度行列 ρ は
と表わされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 PN

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む