紙コンデンサー(読み)かみこんでんさー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「紙コンデンサー」の意味・わかりやすい解説

紙コンデンサー
かみこんでんさー

電気回路に使われるコンデンサー蓄電器)の一種ペーパーコンデンサーともいう。静電容量は、100ピコファラド~10マイクロファラドである。コンデンサー紙(絶縁した紙)2枚以上とアルミスズ(錫)、鉛などの金属箔(はく)(約5~6マイクロメートル厚)を交互に重ねて巻き込み、含浸剤を浸して密閉した構造となっている。含浸剤には当初パラフィンが用いられ、のち植物油、シリコン油が使われた。低周波域の電力用回路に用いる密閉形の金属ケースには、1980年代より防災上オイルレス化が進み、窒素ガス充填(じゅうてん)した製品が開発されている。誘電体も紙のかわりにポリプロピレンフィルムを用いている。

[吹野 正]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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