金属箔(読み)きんぞくはく

百科事典マイペディアの解説

金属箔【きんぞくはく】

展延性のよい金属を薄く打ちのばしたもの。最も薄くできるのは金箔,最も使用量の多いのはアルミニウム箔。金は厚さ0.0003mmのものまで得られる。銀は金に次いで展延性がよく厚さ0.0015mmまでの銀箔ができ,美術工芸品・銀糸などに使用。スズ箔は0.0025mm程度までのもの(いわゆる銀紙)ができ,そのままか紙にはって菓子・食品・薬品などの防湿包装に使用する。また金箔代用にアルミ金箔(アルミニウム青銅の箔),電気抵抗体や高級装飾品用に白金箔も使われる。

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世界大百科事典 第2版の解説

きんぞくはく【金属箔 metal leaf(foil)】

金属を,その展延性を利用してごく薄い箔に伸ばしたもの。金属はめっきなどによってその表面に他の金属の薄い層をつけることができるが,木材などの非金属にも金属箔を用いることがある。金属箔と聞くと,銀紙,金箔などを連想するが,現代の銀紙は多くの場合アルミニウム箔(アルミフォイル)であり,ほんとうの銀ではない。アルミニウム箔の最も薄いものは5μmの厚さであり,工業的には板圧延機と同じ圧延機(たとえばワークロール径250mm程度の可逆式4段圧延機)を用い,前後から張力を付加し,潤滑に注意しつつ比較的高い圧延速度(数百m/min程度)で製造される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金属箔
きんぞくはく
metal foil

展延性に富む金属を薄紙状に打ち延ばしたもの。厚みの規格は各国により異なるが、だいたい0.2ミリメートル以下である。金属箔の歴史は非常に古く、たとえばエジプトのツタンカーメンの金箔は1マイクロメートルの厚さのものであり、また箔打ち職人の姿がピラミッド内部の壁画にある。日本の金属箔の歴史は中国からの仏教伝来とほぼ同時期に始まる。近年では1919年(大正8)にスズ箔、鉛箔の長尺の巻取り圧延が可能となり、これらはおもに茶箱の内貼(うちば)り、たばこの包装に用いられた。1931年(昭和6)に初めて生産に成功したアルミ箔は、現在、食品・医薬品包装用、電気機器用、建材用、家庭用などに多量に用いられ、また値段が安いので、金属箔中最重要のものとなっている。スズ箔は約0.25マイクロメートルまで薄くでき、そのまま、または紙を貼(は)って、食品、薬品、フィルムなどの防湿用包装に用いられたが、近年、アルミ箔にその位置を譲った。アルミニウム青銅箔(12%以下のアルミニウムを含む)、洋箔(銅に8~20%の亜鉛を含む)は金箔の代用とされ、白金箔は電気抵抗体や高級装飾品に用いられる。最近、タングステン・カーバイドの作業ロールを使用した20段圧延機を使って、硬い金属であるステンレス鋼、チタン合金、ニッケル合金などの箔が製作され、その多くは電子機器などに使用される。[志村宗昭]

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