金属化紙コンデンサー(読み)きんぞくかしこんでんさー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金属化紙コンデンサー」の意味・わかりやすい解説

金属化紙コンデンサー
きんぞくかしこんでんさー

電気回路に使用するコンデンサー蓄電器)の一種MP(metallized paperの略称)コンデンサーともよばれ、厚さ8~15マイクロメートルのコンデンサー紙にラッカーを薄く塗布したのち、ニッケルアルミニウム亜鉛などの金属を真空蒸着したものを、2枚重ねて巻き込み、含浸剤を含ませてある。静電容量は、0.1マイクロファラド~100マイクロファラドである。電極が蒸着膜であるため、従来の紙コンデンサーに比べ、容積は3分の1以下ですむ。金属化紙がなんらかの原因で絶縁破壊をおこしても、短絡電流による熱で金属化紙に孔(あな)があくと、その近くの蒸着電極も消散し、一瞬のうちに絶縁が回復する自己回復作用がある。

[吹野 正]

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