最新 地学事典 「累帯深成岩体」の解説
るいたいしんせいがんたい
累帯深成岩体
zoned pluton
深成岩体の周縁部から核部に向けて岩相が同心円状に変化する岩体のこと。同心円状複合岩体とも。一般に岩体周縁部が苦鉄質で核部は珪長質となる(正累帯深成岩体)。これら岩相の関係は漸移関係の場合と貫入関係の場合がある。貫入関係の場合,一般に岩体周縁部の苦鉄質岩相が早期に貫入する。これら岩相は同一マグマの結晶分化作用の産物と考えられている。日本では茨木累帯深成岩体がその典型(田結庄良昭,1971)。外国ではシエラネバダのTuroume batholithが有名(P.C.Bateman et al.,1992)。一方,岩体周縁部から核部に向けて苦鉄質となる岩体もあり,逆累帯深成岩体と呼ばれている。これら岩体のあるものは,花崗岩マグマがまわりの堆積岩を同化したためと考えられている。Baja Californiaの花崗岩によくみられる(G.Gastil, 1990)。また垂直に累帯した岩体,すなわち地形的高所に珪長質の岩石,低所に苦鉄質の岩石が産する重力分化作用による累帯深成岩体も存在する。大崩山岩体がその典型。なお,日本の累帯深成岩体のカタログが野沢保ほか(1991)により作成されている。
執筆者:田結庄 良昭
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

