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細野秀雄 ほそのひでお

知恵蔵の解説

細野秀雄

日本の科学者。東京工業大学応用セラミックス研究所及びフロンティア研究機構教授、同大学元素戦略研究センター長。専門は無機材料科学で、半導体、超伝導体、触媒など電子活性材料の創製を主テーマとしている。
1953年9月7日、埼玉県に生まれる。82年3月東京都立大学大学院博士課程修了、工学博士。鉄を含む高温超伝導体やセメント原料を用いた透明半導体・超伝導体の創出、透明アモルファス酸化物半導体のトランジスタ応用など、国際的に大きなインパクトを与える無機材料科学の発見を数多く成し遂げ、現代の錬金術とも評される。
2008 年に発表した論文「鉄系高温超伝導物質の発見」は、磁性元素を内部に含む物質では超伝導現象は起こらないという物性物理学の常識を覆す世紀の発見で、米国科学雑誌サイエンス誌はこれを「ブレイクスルー・オブ・ザ・イヤー2008」の一つと評価し、また08年に世界で最も引用された論文となった。
この論文を機に、世界中で鉄系超伝導ブームと呼ばれるほど研究が活発になったとされ、基礎研究への大きなインパクトを与える一方、04年に細野氏が創出した透明な高性能薄膜トランジスタ(TFT)は曲げても機能するTFTで、高性能液晶ディスプレーや電子ペーパーへの応用が進められるなど、その研究成果は企業による活発な実用化を刺激している。
主な受賞歴は、1999年日本セラミックス協会賞学術賞、2000年オットー・ショット研究賞、09年紫綬褒章、藤原賞、11年応用物理学会業績賞、12年仁科記念賞など。
13年9月、鉄を含む超伝導体物質の発見によりトムソン・ロイター引用栄誉賞を受賞し、同年のノーベル物理学賞受賞の有力候補と見られていたが、10月の発表で受賞はならなかった。
著作に『透明金属が拓く驚異の世界』(共著)、『好きなことに、バカになる』(単著)など。趣味は落語で古今亭志ん朝と立川談志のファン。猫が大好き。

(葛西奈津子  フリーランスライター / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

細野秀雄 ほその-ひでお

1953- 昭和後期-平成時代の工学者。
昭和28年9月7日生まれ。名古屋工業大助教授,岡崎国立共同研究機構(現・自然科学研究機構)助教授などをへて,平成9年東京工業大応用セラミックス研究所助教授,11年同研究所教授。専門は無機材料科学。「電気を通すセメント」や「透明アモルファス酸化物半導体」を開発。また,20年鉄を含む新しい高温超伝導物質を発見する。21年藤原賞。23年「透明酸化物半導体・金属の創出」で朝日賞。27年「無機電子機能物質の創製と応用に関する研究」で学士院恩賜賞。埼玉県出身。都立大(現・首都大学東京)卒。著作に「透明金属が拓く驚異の世界」(共著)など。

出典|講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて | 情報 凡例

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