経絣(読み)タテガスリ

デジタル大辞泉 「経絣」の意味・読み・例文・類語

たて‐がすり【×絣】

縦糸だけで絣模様を織り出した織物矢絣など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「経絣」の意味・読み・例文・類語

たて‐がすり【経絣】

  1. 〘 名詞 〙(たていと)にだけ絣糸(かすりいと)を使って絣模様を織り出した織物。矢絣(やがすり)の類。
    1. [初出の実例]「立絣(タテガスリ)の紬(つむぎ)を着て」(出典:春(1908)〈島崎藤村〉一〇五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の経絣の言及

【イカット】より

…その絣糸を作る最も素朴な技法がいわゆる〈括り絣〉,つまりイカットの技法である。絣糸の用い方によって,(1)経絣(たてがすり)warp ikat,(2)緯絣(よこがすり)weft ikat,(3)経および緯絣warp and weft ikat(経と緯の絣糸が別個の文様を構成するもの),(4)経緯絣(たてよこがすり)double ikat(経と緯の絣糸の重なりによって一つの模様が構成されるもの)に分けられ,さらに未開人の腰蓑などに見られるような,絣糸をそのまま垂らした状態のものを,(5)プロト(原)・イカットproto‐ikatと称する。文様織としては絣糸を平織にするだけのきわめて単純なものであるから,エジプト,インド,ペルシア,トルキスタン地方をはじめ,東南アジア,中国,日本,さらに中南米など世界的に広く分布している。…

【絣】より

…織る前にあらかじめ文様にしたがって染め分けた糸(絣糸)を用いて織り上げた模様織物。製織の技術そのものは単純な平織であっても,経糸(たていと)に絣糸を用いた〈経絣〉,あるいは緯糸(よこいと)に絣糸を用いた〈緯絣〉,また経・緯両方に絣糸を用いた〈経緯絣〉によって多様な文様を織り出すことができる。このため古くから世界の各地で行われた。…

※「経絣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android