結晶場安定化エネルギー(読み)ケッショウバアンテイカエネルギー

化学辞典 第2版 「結晶場安定化エネルギー」の解説

結晶場安定化エネルギー
ケッショウバアンテイカエネルギー
crystal field stabilization energy

結晶中の隣接する陰イオンがつくる静電場(結晶場)によって生じた遷移金属イオンのd電子の安定化エネルギーのこと.等方的結晶場におかれた金属イオンのd軌道エネルギー準位は五重縮退しているが,低対称の結晶場において異方的静電場を受けると,縮退は解けて準位は分裂する.分裂した低エネルギー準位の側に電子が入ったときのエネルギー低下に等しい.点電荷モデルで計算した格子エネルギーに,分光学から決定した結晶場安定化エネルギーを加算した値は,ボルン-ハーバーのサイクルから得られる実測の格子エネルギーに近い値を示す.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android