最新 地学事典 「結晶場安定化エネルギー」の解説
けっしょうばあんていかエネルギー
結晶場安定化エネルギー
crystal field stabilizing energy
遷移元素からなる自由イオンは,結晶場に置かれるとエネルギー的により安定化する。例えば,3d電子を持つ鉄族の自由イオンでは電子はすべて一つのエネルギー準位を占めるが,立方対称の結晶場に入ると,そのエネルギー準位は二つに分裂(結晶場分裂)し,電子は自由イオンの場合の順位より低いエネルギー準位から占める。結晶場の対称性が下がると準位はさらに分裂してより低いエネルギー準位から電子は占め,イオンはさらに安定化する。同一種の鉱物中で,同じ6配位の陽イオン席の遷移金属でも,対称性の違いにより安定化エネルギーが異なり,席選択性に差が生じ,いくつかの陽イオン席が存在することになる。
執筆者:進野 勇
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

