結晶引上げ法(読み)ケッショウヒキアゲホウ

化学辞典 第2版 「結晶引上げ法」の解説

結晶引上げ法
ケッショウヒキアゲホウ
crystal pulling method

融液から単結晶を育成する方法の一つ.創始者の名前をとってチョクラルスキー(Czychralski)法(1918年),ナッケン(Nacken)法(1915年),あるいはキロポーラス(Kyropoulous)法(1926年)ともよばれている.はじめの方法は単結晶育成法のうちではもっとも原理,装置が確立されており,その手順はるつぼ中の融液に種子結晶を浸し,なじませたのち,融液温度の均一性および異方成長の防止を目的として,るつぼあるいは結晶を回転させながら徐々に引き上げて結晶を育成する.得られる結晶はるつぼによって拘束されずに自由な状態で成長するので,完全性は比較的良好である.結晶の形状や性質は引上げ速度(成長速度),回転速度,温度勾配あるいは結晶方位によって支配されるので,これらの適切な制御がもっとも重要である.なお,引上げに従って融液の組成変化が生じる場合には,大容量のるつぼや浮遊るつぼの使用が試みられている.シリコンゲルマニウム単結晶はもっぱらこの方法で大きなものが生産されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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