絶縁紙(読み)ぜつえんし(その他表記)insulating paper

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絶縁紙」の意味・わかりやすい解説

絶縁紙
ぜつえんし
insulating paper

電気機器やケーブルの絶縁用に広く利用される紙。通信ケーブルおよび電力ケーブル用は良質のクラフトパルプだけですいたもので,厚さ均等でピンホールがなく,化学的に中性で適当な柔軟性を必要とする。コイル絶縁紙はマニラアサ主成分のものと 100%クラフトパルプのものがあり,上記の特性のほかに高度な耐熱性が要求される。電解コンデンサ紙は良質の植物繊維を用いてすき,電解液の浸潤保有性が良好でなければならない。フィッシュペーパーは木綿繊維 100%とクラフトパルプ 100%の2種あり,すいた紙を塩化亜鉛溶液で処理して緻密な組織としたもの。ほかにミツマタまたはマニラアサを主成分としワニスの浸透性のよい絶縁薄紙,表面が平滑で硬いプレスパン,プレスボードなどがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android