総合安全保障(読み)そうごうあんぜんほしょう(英語表記)Comprehensive Security

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「総合安全保障」の意味・わかりやすい解説

総合安全保障
そうごうあんぜんほしょう
Comprehensive Security

国家安全保障軍事力によってのみはかられるのではなく,外交努力や対外経済協力によって総合的に達成するものとした構想。 1978年に日本の安全保障政策概念として大平首相によって提唱され,その後同首相の委嘱を受けた民間有識者による総合安全保障グループが概念の具体化をはかった。当時,経済力が相対的に低下していたアメリカからの圧力により日本は防衛努力の増大を迫られたが,日本では長く安全保障論議がタブー視されてきたため,軍事力の整備・増大については国内世論に対して新たな安全保障概念を提示する必要があった。こうした事態に呼応して出されたのが同構想である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android