緑簾石角閃岩相(読み)りょくれんせきかくせんがんそう(その他表記)epidote-amphibolite facies

岩石学辞典 「緑簾石角閃岩相」の解説

緑簾石角閃岩相

この相は中程度の圧力および温度の条件で形成された変成相で,角閃石─曹長石─緑簾石の鉱物組合せが特徴[Eskola : 1920, 1939].ターナーはこの相を緑色片岩相の高温度の亜相に含め,石英曹長石緑簾石アルマンダイン亜相とした[Turner & Verhoogen : 1960].ターナーは曹長石の存在を重要視して低い変成度を示すものとした.後にファイフとターナーは亜相をやめて元の相に戻した[Fyfe & Turner : 1966].この相はエスコラが1939年に追加したもので,塩基性岩石の場合にはアクチノ閃石でない角閃石を含むのが特徴である[Eskola : 1939].斜長石はAn成分に富み,オリゴクレースからアンデシンの成分となる.ランベルグは緑色片岩相では斜長石の成分はAn10%くらいであり,緑簾石角閃岩相と角閃岩相の境はAn30%くらいと考えたが,これには問題がある[Ramberg : 1952].ターナーは緑色片岩相では曹長石が本質的であると考えており,緑簾石角閃岩相を遷移的で狭い温度範囲のものと考え,独立した変成相とは考えていない[Turner : 1981].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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