美浜原子力発電所(読み)みはまげんしりょくはつでんしょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「美浜原子力発電所」の意味・わかりやすい解説

美浜原子力発電所
みはまげんしりょくはつでんしょ

福井県美浜町にある関西電力の発電所。 1970年に1号機 (加圧水型・出力 34万 kW) ,72年に2号機 (加圧水型・出力 50万 kW) ,76年に3号機 (加圧水型・出力 82万 6000kW) が営業運転を開始した。 91年2月9日,2号機の原子炉内の蒸気発生器細管 3260本のうちの1本が破断する事故が起った。これにより,放射能に汚染された1次冷却水が発電タービンを回す2次冷却水に流れ出し,原子炉が自動停止した。冷却材喪失事故時を想定した炉の空だきを防ぐための緊急炉心冷却装置 (ECCS) が作動したためで,ECCSが作動した国内初の例となった。破断の原因として,蒸気発生器の細管の逆U字型に曲がった部分の振動を抑える振れ止め金具が,設計どおりの位置まで挿入されていなかったことなどが指摘された。原発周辺では,環境放射能モニターの異常は感知されなかった。

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