羽束山
はつかやま
香下の北東部にあり、香下山ともいう。標高五二四メートル。山容は「摂津名所図会」に「峰頭高く聳え形尖りて削るがごとし」とある。古来歌にもよく詠まれ、「後鳥羽院集」に「あふことも今ははつかのやまの名も我身ひとつに更る夜の月」、「土御門院御集」に「津の国のなにはかくれぬ弓はりのはつかの山に残る月かけ」、「新古今集」巻一六の大江匡房の歌に「頼綱朝臣、つのくにはつかといふ所に侍りける時、つかはしける」として「秋はつるはつかの山のさびしきに有明の月を誰とみるらむ」などが知られている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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