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歌枕 ウタマクラ

5件 の用語解説(歌枕の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

うた‐まくら【歌枕】

和歌に多く詠み込まれる名所・旧跡。
和歌に詠み込まれる特殊な語や句。名所・枕詞序詞など。
歌を詠むのに典拠とすべき枕詞・名所などを記した書物。「能因歌枕」など。

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百科事典マイペディアの解説

歌枕【うたまくら】

和歌の中に古来多く詠みこまれた名所のこと。原義は歌詞(うたことば),枕詞,名所など,和歌に詠みこまれるべき歌語や題材,あるいはそれらを列挙解説した書物の意であるが,時代が下るにつれて名所の意に限定されるようになった。
→関連項目宇治宇治橋北野木幡西行白河関鳥羽殿双ヶ丘美豆牧

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世界大百科事典 第2版の解説

うたまくら【歌枕】

和歌用語。古典和歌にしばしば詠まれる名所のこと。古典和歌の世界では,和歌に詠むにふさわしい由緒ある一群の地名があり,恣意(しい)的に勝手な地名を詠みこむことは許されなかった。その地名は,《能因歌枕》《五代集歌枕》八雲御抄》《歌枕名寄》などの歌学書に集成され,いわば登録された形になっている。歌枕という語は,古くは歌に使用すべき言葉一般,あるいはそれらの言葉を集成した書物という広い意味で使われた。《能因歌枕》はその例で,地名を含めた歌言葉一般の集成である。

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大辞林 第三版の解説

うたまくら【歌枕】

和歌に詠まれて有名になった各地の名所・旧跡。
和歌を詠むときに必要な歌語・枕詞・名所など。また、それを記した書物。 〔の意が原義〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

歌枕
うたまくら

歌学用語。広義としては和歌に詠み込まれる歌ことばを、狭義としてはその歌ことばのうちの地名をさす。もともと広義として用いられていたが、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、狭義として用いられるようになった。今日でも狭義として用いられるのが一般である。前者を代表する平安時代中期の著作に『能因(のういん)歌枕』(11世紀なかば)があり、枕詞(まくらことば)、序詞、自然現象、動植物、慣用語、地名など、いわゆる歌ことばを収集、説明したもので、作歌のための手引書であった。この歌ことばは、たとえば「花橘(はなたちばな)」が過往への追懐の気持ちを含み、「松虫」が懸詞(かけことば)「待つ」とともに用いられるなどのように、それぞれ類型的な連想性をもつ点に特徴がある。これは、たとえば「五月(さつき)待つ花橘の香をかげば昔の人の袖(そで)の香ぞする」(『古今集』よみ人しらず)の古歌がもとになって「花橘」の連想がなされるように、古来の歌々がもとになって生成されたとみられる。王朝の和歌は、そのような類型的なことばを表現の基盤に据えながら、しかも個別的な叙情性が発揮できるように仕組まれていた。
 後者の狭義の歌枕もまた、類型的な連想作用を促すことばとしての地名である。たとえば、「吉野」といえば桜か雪を、「龍田山(たつたやま)」といえば紅葉(もみじ)を、あるいは「飛鳥川(あすかがわ)」といえば人の世の無常を連想させるように。もとより、はるか古代においては、地名はその土地の信仰と結び付いたことばであり、それだけに歌にも多く詠み込まれた。時代とともにその信仰は薄れたが、詠み継がれてきた歌としての伝統を顧みるところから、前記のような共通の連想作用を促すことばとしての歌枕が成立するようになった。人々にはいわゆる名所として喧伝(けんでん)されるようになる。その傾向は、早く『万葉集』の時代からおこり、『古今集』以後の王朝和歌の時代で一般化した。和歌のみならず、絵画においても、新しくおこった大和絵(やまとえ)の重要な構図となっている。貴族たちは室内を飾る歌枕の屏風絵(びょうぶえ)などに接して、たとえば塩焼く煙の景に塩竈(しおがま)や須磨(すま)の地を想像するなど、訪ねたこともない各地の景観を思い描くのである。また、この歌枕は、紀行文や道行(みちゆき)のような文章と不可分にかかわっている。『土佐日記』『伊勢(いせ)物語』はその最初期の例であるが、後世の『おくのほそ道』も陸奥(みちのく)の歌枕をたどった紀行文学であるとみられる。[鈴木日出男]
『片桐洋一・ひめまつの会編『平安和歌歌枕地名索引』(1971・大学堂書店) ▽奥村恒哉著『歌枕』(1977・平凡社) ▽片桐洋一著『歌枕歌ことば辞典』(1984・角川書店)』

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世界大百科事典内の歌枕の言及

【詩語】より

…長歌のようなものも含めて,概して短詩形が多い日本の詩歌は,これらの修辞の駆使によって単調さからのがれ,味わいを濃くすることができた。また〈歌枕〉は名所として人々の憧憬を刺激する地名だが,地名をいうだけで人々の共同的想像力をかきたてえた点で,重要な詩的装置であり,古典的なpoetic dictionの好例といえるものであった。さらに重要なものとして,《万葉集》《古今和歌集》以後,連歌・俳諧の長い歴史的経過を通じ,きわめて精緻に体系化され,現代の俳句歳時記に集大成されている〈季題〉〈季語〉の一大宝庫がある。…

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