耕作強制(読み)こうさくきょうせい(その他表記)Flurzwang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「耕作強制」の意味・わかりやすい解説

耕作強制
こうさくきょうせい
Flurzwang

耕地強制とも呼ばれる。中世ヨーロッパ農村において耕作労働,耕地利用に際して農民に課せられた村落共同体の統制。中世ヨーロッパの農業開放耕地制のもとに営まれ,領主直営地農民保有地混在耕地制 (→ゲメンゲラーゲ ) であったので,犂耕,播種,収穫などの作業と休閑地利用は村落の農業規制に服し,共同地利用もこの規制下にあった。この農業規制はエンクロージャー普及により衰え,農業革命進行とともに消滅した。

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世界大百科事典(旧版)内の耕作強制の言及

【共同体】より

…ここで研究対象となっている共同体は,主として村落共同体,都市共同体およびギルドである。たとえば村落共同体においては,主要な生産手段である耕地は共同体成員たる個々の農民の所有であるが,その現実の利用は共同体の規制(耕作強制)の下にあり,また共同体全体の所有である共有地が各農家経営の不可欠の補完物となっている。この共同体は自立した農民たちの自覚して選んだ協同組織ではなく,そこに属することによってはじめて農民となりうるような所与の共同団体である。…

※「耕作強制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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