精選版 日本国語大辞典 「聞分」の意味・読み・例文・類語
きき‐わ・ける【聞分】
〘他カ下一〙 ききわ・く 〘他カ下二〙
① 音や声などを聞いて区別する。ききわかつ。
※能因本枕(10C終)一二三「ただあるかなきかにききわけたるきりぎりすの声」
② 聞いて事の是非を定める。聞いてその意を悟る。納得する。得心する。ききわきまう。
※新千載(1359)釈教・八五七「ききわくる心の内の誠こそ教へによらぬ悟りなりけれ〈桓覚〉」
③ 香りをかいで区別する。ききわかつ。
きき‐わか・る【聞分】
[1] 〘自ラ四〙 聞いて理解する。聞いて判断する。
[2] 〘自ラ下二〙 聞いて区別する。別々の音と聞く。
※宇津保(970‐999頃)楼上下「おなじしらべながら、はるかにすみのぼりたるこゑ〈略〉四方の山はやしにききわかれて」
きき‐わ・く【聞分】
[1] 〘他カ四〙 聞いて判断する。聞いて是非を決める。
※古今(905‐914)春上・一〇「春やとき花や遅きとききわかん鶯だにも鳴かずもあるかな〈藤原言直〉」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒ききわける(聞分)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報