日本大百科全書(ニッポニカ) 「肝障害度」の意味・わかりやすい解説
肝障害度
かんしょうがいど
肝障害の程度を段階的に評価する指標。肝細胞がんの治療選択においては、がんの進行度とともに重要な役割を果たす。
評価には「原発性肝癌(がん)取扱い規約」(日本肝癌研究会編)の肝障害度分類、あるいはチャイルド・ピューChild-Pugh分類が用いられる。いずれも臨床所見、血液検査所見によりA・B・Cの3段階に評価され、AからCに向かって肝障害度の程度が強くなる。
肝障害度分類では、(1)腹水の程度、(2)血清ビリルビン値、(3)血清アルブミン値、(4)インドシアニングリーン15分停滞率(ICG15分値)、(5)プロトロンビン活性値の5項目を用いて評価を行う。
チャイルド・ピュー分類では、(1)腹水、(2)血清ビリルビン値、(3)血清アルブミン値、(4)プロトロンビン活性値に加え、(5)脳症の有無の5項目を用いて評価する。
[渡邊清高 2019年11月20日]