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腹水 ふくすい ascitis

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

腹水
ふくすい
ascitis

種々の疾患により腹腔内にたまる液体をいう。腹水が多量になれば,腹部の皮膚が緊張して多少とも光沢を帯び,仰臥位では臍周辺が平坦になって,いわゆるカエル腹を呈する。腹水が漏出液ならば,肝硬変門脈血栓症うっ血性心不全ネフローゼ症候群などのことが多く,滲出液ならば結核性腹膜炎癌性腹膜炎のことが多い。

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デジタル大辞泉の解説

ふく‐すい【腹水】

腹膜の炎症や肝臓・心臓・腎臓の疾患などにより腹腔内にたまった液体。

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百科事典マイペディアの解説

腹水【ふくすい】

腹腔内にたまった液体。心不全栄養失調などの全身浮腫の一部として起こることもあるが,多くは肝(門脈系)疾患,卵巣,子宮などの婦人性器疾患,腹膜炎などの腹部臓器疾患時に認められる。
→関連項目肝不全打診バンチ病腹膜

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栄養・生化学辞典の解説

腹水

 腹腔内に漏出した液が貯溜したもの.

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家庭医学館の解説

ふくすい【腹水】

 腹部には腸の前と腹壁(ふくへき)との間に腹腔(ふくくう)と呼ばれる腹膜(ふくまく)で囲まれる空間があります。通常、腹腔には水分はほとんどたまっていませんが、ここに血管やリンパ管から漏(も)れ出した液がたまると腹水と呼ばれます。腹水の原因はさまざまで、肝疾患のほかに、腎疾患(じんしっかん)、腹部悪性腫瘍(あくせいしゅよう)、心疾患、腹膜疾患、膵疾患(すいしっかん)、栄養障害、婦人科的疾患などが原因になります。
●症状
 腹水が1ℓ以上たまると肉眼的にもおなかが膨らんで見えます。
 急にベルトがきつくなる、急に体重が増加するなどの症状で気づくこともあります。おなかの張る感じ(膨満感(ぼうまんかん))、食欲の低下、吐(は)き気(け)、息切れなどの症状として現われることもあります。
●検査と診断
 腹腔内に注射針を刺して腹水を少量とり、生化学的に分析したり、菌の培養などを行ないます(腹水穿刺(ふくすいせんし))。
 肝硬変では、血液中の水分を保つアルブミンというたんぱくが少なくなり、水分を血液中に保持する圧が弱くなるため、血管外にもれて腹腔にたまります。また、肝細胞を囲む線維のために肝臓内の血液の流れが悪くなり門脈圧(もんみゃくあつ)が高くなり、血液中の水分がもれやすくなります。
 まれに細菌感染による腹膜炎をおこし、腹水が貯留することもあります。
●治療
 まず塩分の摂取を控え(1日あたり6g)、原因となる病気があれば、その治療を行ないます。そして、利尿薬によって腹水を排泄(はいせつ)することが原則となります。
 低たんぱく血症のときにはアルブミンの点滴なども行なわれます。
 大量の腹水の排出は体液の喪失を招くため、あまり行なわれませんでしたが、輸液で十分に補いながらであれば可能です。

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世界大百科事典 第2版の解説

ふくすい【腹水 ascites】

腹水は,語源のギリシア語askitēsでは水腫を意味したが,現在の医学用語としては,腹膜に包まれた腹腔内に貯留した液体を総称する。通常,正常者の腹腔内には約20~50mlの腹水が存在するが,腹水患者では5~10lの液体貯留がみられることがまれではない。腹水を発生する原因疾患は多岐にわたるが,臨床的には腹水の性状により滲出液と漏出液とに分類される。滲出性腹水は,腹膜の炎症や癌によって滲出液が多量に産生されるために起こり,その性状はタンパク質濃度が3~5g/dl程度で,比重が高く種々の細胞成分を含有する。

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大辞林 第三版の解説

ふくすい【腹水】

腹腔内に液体が大量にたまった状態。また、その液。肝硬変・心不全・ネフローゼ症候群・癌性腹膜炎などにみられる。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

腹水
ふくすい

腹腔(ふくくう)内に異常な体液が貯溜(ちょりゅう)したものを腹水といい、その状態を腹水症という。組織内のリンパ液が過剰に存在する状態を浮腫(ふしゅ)または水腫とよぶが、体腔内におこる浮腫を腔水(くうすい)症と総称し、体腔の種類によって呼び分けられる胸水症、腹水症などがその代表である。腹水症では、数リットルの液体が腹腔内にたまることも少なくない。
 腹水の原因としては、肝臓内静脈圧、門脈圧の上昇、血清アルブミンの減少、副腎(ふくじん)皮質ホルモン、とくにアルドステロンの不活性化障害などがあげられているが、腹水症は、実際には、うっ血性腹水、悪液質性腹水、炎症性腹水などに大別されている。したがって腹水は、心疾患、慢性肺疾患などによる全身性のうっ血、あるいは肝硬変症、門脈血栓症などによる門脈血のうっ血の場合、悪性腫瘍(しゅよう)による悪液質などの栄養低下で血漿(けっしょう)アルブミン量が低下した場合、また、腹腔、すなわち腹膜の炎症機転によって滲出(しんしゅつ)が亢進(こうしん)した場合にしばしば認められる。うっ血性の腹水の場合は、血液から濾過(ろか)された漏出液であるため、比重1.018以下、タンパク含量4%以下で、細胞成分に乏しいのに反して、炎症性の場合は、滲出液であるため、比重1.018以上、タンパク含量4%以上で、細胞成分に富むなどの差がある。両者の鑑別は、タンパク反応の一つであるリバルタ試験が用いられる。
 腹水に血液が混じる場合は、結核性および癌(がん)性の腹膜炎のことが多く、腹腔に血液そのものがたまる場合は、血腹症とよばれ、肝臓、脾(ひ)臓の外傷、大動脈瘤(りゅう)の破綻(はたん)、卵管妊娠などにみられる。腹水が乳白色で脂肪に富む場合は、乳糜(にゅうび)腹水とよばれ、胸管の外傷などによる損傷、あるいは腫瘍による閉塞(へいそく)で、腹水中に脂肪を含むリンパ液、すなわち乳糜が混入して生じたものである。腹腔内にある程度の腹水がたまると、腹部は膨隆し、打診の際には、体位を変換することによって音の変化がわかるし、触診の際には、波動を認めることができる。腹水の性状を検査するためには、腹腔穿刺(せんし)を行うのが常である。とくに、腹水に含まれる細胞を観察し、悪性腫瘍細胞の存在を確認する細胞診は、臨床的にしばしば用いられるものである。[渡辺 裕]

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世界大百科事典内の腹水の言及

【肝炎】より

…症状としては,発熱,黄疸,食欲不振,悪心,嘔吐,腹痛,体重減少等がみられる。ふつう肝腫大や脾腫も伴い,ときには腹水もみられる。診断は,肝生検でアルコール硝子体が見つかればより確実となる。…

【肝臓】より

…肝臓血流障害も生じ,肝細胞の機能も低下するため,アルブミンや血液凝固因子をはじめとするタンパク質の合成障害,解毒機能低下,ホルモン代謝異常,門脈圧亢進症,栄養障害などが起こる。さらに進行したものでは,腹水の発生,消化管出血,脳神経障害などの合併症を呈する肝臓病の終末的病態である。原因としては,慢性肝炎からの移行が最も多いが,ほかにアルコールの過飲,高度の栄養障害,日本住血吸虫症,心臓病による長期の肝鬱血(うつけつ),原因不明のものなどがある。…

【肝不全】より

…後者は,進行した肝硬変肝臓癌,肝臓内に長期間持続して胆汁が鬱滞(うつたい)することなどによって生じ,高度の肝臓萎縮と繊維化,およびその結果生じる肝血流障害,腫瘍性変化などが直接の原因となる。ともに症状として,全身消耗,皮膚や性器の異常,感染に対する抵抗力の低下,循環障害などを伴うが,黄疸の増強,腹水,出血傾向,肝性脳症と,高度の栄養障害が臨床的には重大な問題となる。
[肝臓の機能低下による種々の症状]
 (1)黄疸 黄色色素のビリルビンが体内に蓄積して皮膚などを黄色に染める現象を黄疸という。…

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