肩手症候群(読み)けんしゅしょうこうぐん(英語表記)shoulder-hand syndrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肩手症候群」の意味・わかりやすい解説

肩手症候群
けんしゅしょうこうぐん
shoulder-hand syndrome

肩の鈍痛のほか,運動が制限され,進行すると外旋運動が害される。痛みは頸部から腕にまで及び,手は赤くはれ,手指の伸展屈曲が完全にはできなくなる。いわゆる交感性異栄養症の特徴である四肢末梢部の疼痛 (とうつう) ,灼熱感や,関節周辺部の圧痛,腫脹 (しゅちょう) や浮腫を伴い,手指末端は冷感,チアノーゼを呈することもある。冠不全,狭心症,脳血管障害,石灰化腱炎など比較的高齢者に多く見られる疾患が引き金となって起こる。症状の軽い例では自然治癒の傾向があるので,リハビリテーション温熱療法,ステロイド剤関節注入などを行なう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の肩手症候群の言及

【リハビリテーション】より

…とくに肩関節運動を忘れないようにする。片麻痺患者に,かなりの高率で将来肩の痛みを主訴とする肩手症候群が発症して,大きな苦しみを与えるからである。肩の亜脱臼防止にはスリングを用いて,歩行訓練に際しては麻痺側下肢に装具をくふうする。…

※「肩手症候群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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