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温熱療法(読み)おんねつりょうほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

温熱療法
おんねつりょうほう

癌の治療法として近年注目されている方法の一つ。癌細胞が熱に弱いことに注目して始められた治療法で,大きく局所温熱療法と全身温熱療法に分けられる。前者は癌のある場所を直接加温する方法であり,後者は心臓手術に使われる人工心肺などの体外循環装置を利用し,加温した血液を体内に戻すことによって全身を加温する方法。温熱療法単独での有効例も報告されているが,放射線療法免疫療法化学療法との併用が一般的。癌の集学的治療の一つとして,治療効果が評価されつつある。

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デジタル大辞泉の解説

おんねつ‐りょうほう〔ヲンネツレウハフ〕【温熱療法】

全身または患部をあたためることにより、新陳代謝を促進して老廃物を除去し、血液やリンパの流れをよくする治療法。温浴・蒸気浴砂浴罨法(あんぽう)など。

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百科事典マイペディアの解説

温熱療法【おんねつりょうほう】

温熱を利用した物理療法のこと。伝導熱を利用した温罨(あん)法(身体の一部を布などで被って温熱刺激を与える治療法)やパラフィン浴関節リウマチ股関節の拘縮,および疼痛の軽減を目的として,溶解させたパラフィンの浴槽中に患部を数秒間出し入れする治療法),輻(ふく)射(放射)熱を利用した赤外線照射や熱気浴熱気療法),高周波を利用した超短波などの電気療法,水治療としての温浴などがある。 温熱効果としては,末梢循環の改善,心拍による血液の出量の増大,発汗や新陳代謝の促進,筋緊張の緩和,鎮痛作用など。捻挫(ねんざ)や関節痛のリハビリテーションから癌(がん)治療まで,幅広く適用されている。 癌が42.5℃以上の熱に弱いことに着目し,43℃の熱の出るマイクロ波で癌組織を加温する温熱療法は,特に皮膚癌を中心に行われており,放射線治療や制癌薬(抗癌剤)と併用することによって,より高い効果が期待できる。しかし,身体の深部にある癌細胞だけに加温する方法が確立されておらず,正常な組織にまで影響を与えてしまうという重大な問題がある。 1996年9月,名古屋大学工学部の研究グループによって,微小な磁石を癌細胞の中に入れ,比較的低い周波数の電磁波を照射して,癌細胞だけを死滅させることができる新しい温熱療法が発表され,話題となった。しかし,温熱療法はまだまだ確立された治療法とはいえないのが現実である。→高周波療法
→関連項目理学療法

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大辞林 第三版の解説

おんねつりょうほう【温熱療法】

全身あるいは患部をあたためる治療法。血流が増加し、組織が弛緩するため、疼痛とうつうが緩和される。
がんの治療法の一。癌組織に摂氏42度以上の高熱を与え、癌細胞を死滅させる療法。ハイパーサーミア。

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世界大百科事典内の温熱療法の言及

【水治療法】より

…〈すいちりょうほう〉とも読む。水は比熱が高いために熱を吸収したり逆に熱を与えるのに時間を要するが,この性質を人体に応用したものに,温水を用いる温熱療法,冷水を用いる寒冷療法などがある。また,水の温度,浮力,抵抗,水圧などが運動療法に利用される。…

【理学療法】より

… 理学療法の原理は,(1)組織,循環の維持および改善,(2)関節可動域の維持および改善,(3)筋力の維持および改善,(4)痛みや浮腫,痙攣(けいれん)などの緩和をめざした緩解治療,(5)原疾患の合併症として栄養障害や萎縮,癒着や拘縮などの予防,(6)全身状態の改善,(7)種々の器械や装具,自助具の使用による運動性の維持および改善,である。 物理療法のうちの温熱療法には,伝導熱としてのホットパックやパラフィン浴,温泉などの全身浴があるが,そのほかに赤外線などの光線,超短波や極超短波などのジアテルミーdiathermyが用いられる。逆に寒冷療法も疼痛に対する治療としてときどき用いられる。…

※「温熱療法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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