(読み)ひじ

普及版 字通 「肱」の読み・字形・画数・意味


8画

(異体字)
4画

[字音] コウ
[字訓] かいな・ひじ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(こう)。は右の腕をまげて弓などを引く形。〔説文〕三下に「は臂(ひぢ)の上なり」という。〔易〕を伝えたという臂(かんび)子弓は臂と弓と名字対待。肱()はその弓を引く腕をいう。〔論語、述而〕「肱を曲げて之れを枕とす」とは、世離れた気楽な生活をする意。

[訓義]
1. かいな、うで。
2. 国語では、ひじ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕肱 可比奈(かひな)〔名義抄〕肱 カヒテ(ナ)・ヒヂ・モモ

[声系]
は肱の初文。〔説文〕に声として雄・宏・・紘など、六字を収める。雄は右に従う字。他はみな張大の意をとる。

[語系]
肱()kuang、宏・hong、弘hungは声近く、みな宏大の意があり、一系の語である。廣(広)kuang、匡khiuangも同系の語とみてよい。

[熟語]
肱禁肱支肱比肱髀肱膂
[下接語]
横肱・奇肱・麾肱・曲肱・玉肱・股肱・脩肱・折肱・長肱・枕肱・翼肱・良肱・連肱

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【腕】より

…すでに《源氏物語》に〈かいな〉が前腕を含む腕全体を指すところがあり,〈うで〉の範囲があいまいである。一方,〈腕〉はもとひじから手首まで(〈臂〉),または手首を指し,肩からひじまでの〈肱〉とは別で,腕が〈うで〉に,肱が〈かいな〉に対応したが,腕も上肢全体を指すようになり,上腕,前腕などが解剖学用語となった。 腕の範囲のあいまいさは西欧語にもある。…

※「肱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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