背後の一突(読み)はいごのひとつき(その他表記)Dolchstoss von hinten; Stab-in-the-back

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「背後の一突」の意味・わかりやすい解説

背後の一突
はいごのひとつき
Dolchstoss von hinten; Stab-in-the-back

第1次世界大戦でドイツが敗れたのは前線での戦いではなくて,国内で厭戦気分をあおり,革命を扇動した社会主義者,平和主義者,ユダヤ人たちのせいであるとする説。ナチスはこの伝説を流布することによって敗戦と過酷なベルサイユ条約に打ちひしがれ,インフレ重圧に苦しむ人々に効果的に訴え,勢力拡大に利用した。戦後のワイマール共和制がこれら批判の対象にされた人々によって維持されただけに,ワイマール体制に対する大衆の不満を増幅するのに効果があった。

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