腟けいれん(読み)ちつけいれん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

腟けいれん
ちつけいれん

単に腟痙(ちつけい)ともいい、外陰や腟になんら器質的異常がないにもかかわらず、腟およびその周辺の筋肉に不随意的におこるけいれんをいう。一般には性交時、陰茎の腟内挿入を阻止するように不随意的におこるけいれんをさし、ほとんどの場合、性交不能となる。また、下肢や躯幹(くかん)の筋肉までけいれんすることもある。さほど多くはみられないが、神経過敏な女性に比較的多く、性交を極度に恐れたり、最初の性交で粗暴な扱いを受けたための恐怖感や嫌悪感などが誘因となっておこる場合がある。治療としては、精神療法のほか、鎮静薬の投与などが行われる。
 なお、処女膜の肥厚や強靭(きょうじん)、あるいは腟入口の狭窄(きょうさく)や炎症などの器質的異常が原因となって性交時に激しい疼痛(とうつう)があり、その知覚神経反射によってけいれんをおこす偽腟痙も、まれにみられる。この場合には処女膜切開術や腟口拡張術によって器質的異常を除けば治癒する。[新井正夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

出入国在留管理庁

政府が2019年4月に発足を予定している法務省の外局。18年12月の出入国管理法改正案成立に伴う外国人労働者の受け入れ拡大に対応するため、同省の内部部局である入国管理局を再編・格上げし、新設することが...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android