膠原病性胸膜炎

内科学 第10版 「膠原病性胸膜炎」の解説

膠原病性胸膜炎(胸膜炎)

(5)膠原病性胸膜炎 (collagen-vascular disease asso­ciated pleuritis)
概念
 全身性エリテマトーデスSLE)や関節リウマチなどの膠原病に合併して発症する胸膜炎.
診断・治療
 細胞成分としてはリンパ球が優位である.胸水中の抗核抗体リウマトイド因子が血中と比較し4倍以上に上昇する.SLEでは両側性で心膜炎を伴うことも多く,胸水中LE細胞の存在や抗dsDNA抗体の上昇,補体の低下が特徴的である.RAの胸水は補体が上昇するが,グルコースは低下し,しばしば10 mg/dL以下となる.治療は,原疾患である膠原病の治療を行う.[矢野聖二]
■文献
Light RW: Pleural diseases. 4th ed. Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2001.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の膠原病性胸膜炎の言及

【胸膜炎】より

…胸痛はほとんどにみられる症状であり,深呼吸や咳,体動などによって増強する刺すような痛みを訴えるが,滲出液の貯留が進むと軽減する。結核性胸膜炎や膠原病性胸膜炎では38~39℃の発熱が2~3週間続くが,膿胸では40℃に達することもまれではない。癌性胸膜炎では胸痛や発熱を伴わないことも多いが,癌の浸潤が肋間神経に及ぶと,持続性の激しい胸痛を起こす。…

※「膠原病性胸膜炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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