朝日日本歴史人物事典 「膳大丘」の解説
膳大丘
奈良時代の学者。名は大岡とも書く。天平勝宝4(752)年の遣唐使の留学生として唐へ渡り,帰国時,金剛蔵菩薩註金剛般若経をもたらした。宝亀8(777)年に大学博士となっている。僧常楼や土師乙勝と親交があったらしく,常楼は大丘から儒学などを学んだといわれる。大丘は仏教,儒学ともに識見高く,時代を代表する知識人であったらしい。神護景雲2(768)年,かつて唐へ留学した時期に孔子が文宣王と追号されていたことを知り,日本でも,それまで孔子を孔宣父といっていたことを改めて文宣王とすることを献言,認可されている。
(鬼頭清明)
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