自他不二(読み)じたふに

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自他不二」の意味・わかりやすい解説

自他不二
じたふに

大乗仏教用語。自己他人とは別人でありながら,しかも不二の存在であるという考え方。およそこの世でだれにとっても,最もいとしいものは,おのれ自身であるが,他人にとっても同様である。ゆえに自己を愛する者は他人を愛し守る者でなければならないと考える。仏もまた衆生を自己と等しい者と考え,衆生の苦悩するとき,仏もまた苦悩し,苦悩から解放し救いたいと考える。救済観念は自他不二の考えが根底となっている。

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