自分仕置(読み)じぶんしおき

精選版 日本国語大辞典 「自分仕置」の意味・読み・例文・類語

じぶん‐しおき【自分仕置】

〘名〙 江戸時代大名旗本の行なった裁判(仕置)のこと。幕府公儀)の行なう「公儀仕置」に対する意味に用いる場合と幕府に伺の上裁判する「伺之上仕置」に対して、大名などが専決できる裁判の意味に用いる場合とがある。
御触書寛保集成‐四三・元祿一〇年(1697)六月「覚 〈略〉江戸之御仕置に准し、自分仕置可被申付候」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の自分仕置の言及

【公儀】より

…例えば江戸時代の一人の農民にとって公儀とは幕府―大名―代官―村―家―家族という入子型の支配体系であったが,この体系の各項は,自分より上位の項に対しては私であり,下位の項に対しては公儀であった。藩は領民に対しては公儀であったが,幕府の裁判による処刑が公儀御仕置であり大名・旗本によるそれが自分仕置と呼ばれたように,大公儀(おおこうぎ)である幕府に対しては私であった。世間,世間体,世間のつきあいなど現在から見れば私的関係に属する分野にまで,公儀という言葉で表現されるようになったのも,公儀における公と私の上記のような関係から説明できるであろう。…

※「自分仕置」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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