舟形配座(読み)フナガタハイザ

化学辞典 第2版 「舟形配座」の解説

舟形配座
フナガタハイザ
boat conformation

ボート形配座ともいう.六員環立体配座の一つ.6個のC原子を正四面体構造を保ったまま環状に結合させると,2種類の異なった形のシクロヘキサンができる.一方いす形,他方を舟形という.舟形は可動形で,ねじれ舟形(twist-boat conformation)との間に,連続的に無数の立体配座が可能である.常温では,これらの立体配座は自由に移りかわれるが,舟形はいす形よりポテンシャルエネルギーが約30 kJ mol-1 高い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の舟形配座の言及

【シクロヘキサン】より

…赤道結合)がそれぞれエカトリアル結合,アキシアル結合に変わった第2のいす形に変化する。この変化は環の反転とよばれ,舟形配座を経由する(図1)。舟形配座はいす形配座よりも約6kcal/mol不安定である。…

※「舟形配座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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